年金の繰り下げ受給

繰下げ加算額は、

増額率=(65歳に達した月から繰下げ申出月の前月までの月数)×0.007

1年間遅らせると、8.4%増えるってことだから、年金資産が年利8.4%で運用できるってこと?

いや、それはオイシスギだろう。リスクなしなのに8.4%で運用できる商品なんてあるわけないのだから、これは怪しい(間違っている≒嘘)と疑わなければならない。

これには、1年間受け取りを遅らせたために受け取らなかった1年分の年金が考慮されていない。例えば65才から年間100万円の年金を受け取れると仮定する。1年間受給を繰り下げると、65才で受け取れる年金の100万円を貰わずに、66才から108.4万円をうけとることになる。確かに8.4%年金資産の価値は増えたと言えるけれど、本来65歳の年に受け取っていた100万円を損していることになる。

つまり、割増された年金をできるだけ長く受け取って、割り増し分で100万の損失を埋めなければならない。これを埋めるにはざっくり12年(100÷8.4)かかる。つまり78才からやっと儲けが出ることになる。78才まで生きていてやっとトントン。それまでに死んでしまったら、1年間我慢した甲斐がなかったということになる。

投資の世界では、そういった損失(リスク)があるのは当然のことであって、リスクなしで年8.4%増えるワケがないのだ。「ノーリスクで年8.4%の利回りと同じです」なんて説明をしている人がいたら、思いっきりツッコんでやりましょう。

そんなに薔薇色のおいしい話ではないけれど、資産が十分あって1年間年金を貰わなくても大丈夫な人は繰り下げ受給をしてもいいと思う。もし70歳そこそこで寿命が尽きて損失になったとしても、自分は死んでしまっているので、損失の痛みは感じないじゃない...。イヤイヤ、そう思わせるのが目先の年金支給額を抑えて社会保障費を減らしたい政府の思惑かもしれない。寿命が延びてるのだから、長い目で見れば年金の支給額が上がると思うのだが、変な政策だなぁ。詳しく試算すると抑えられるのだろうか?

 

 

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